9月21日の火曜日は十五夜でした。お月見に欠かせないのはススキ。ススキと言えば生石山を思い浮かべます。
紀美野町の観光PR動画は、「電車はない」「スーパーもない」から始まり、生石山からの風景に「遮るものは何もない」…、そして最後に「最高の〝ない〟がここにある」といって終わります。
筆者も、県発行の『指標からみた和歌山県のすがた』から、同町になくてよいもの、あってよいものを探してみました。文中の順位は、県内30市町村における順位です。
製造業への就業割合が2位、町外への就業者割合は7位ですが、町外からの就業者割合も8位と高く、町内で仕事があります。人口当たりの卸売・小売事業所数は9位です。住宅地平均価格は25位と安く、持ち家比率は3位となっています。
人口当たりの病院・診療所は4位、病床数3位、医師数6位と医療も充実しています。小中学校の先生一人が受け持つ児童、生徒数は20位、26位で、一人ひとりにいきわたる教育環境です。
交通事故死傷者数は29位で、県平均の5分の1。犯罪も27位で県平均の3分の1と圧倒的な少なさです。
8月1日現在の人口は8099人(県推計)ですが、国の機関によると、2045年には3654人に。町内56地区のうち、18地区が人口ゼロになると予測されています。
総務省が17年度に実施した過疎地域への移住者アンケートで、移住の際重視した点を調べると、生活できる仕事(28・8%)、買い物等(19・2%)、住居が安い(19・2%)、医療福祉(16・6%)、保育・教育(14・4%)と続いています。紀美野町には、美しい自然と安全・安心に加えて、過疎地移住者が重視する条件が整っています。
和歌山社会経済研究所研究委員 中西 望(第4土曜担当)
(ニュース和歌山/2021年9月25日更新)