毎年、初詣は氏神様が祀られている近所の小さな神社に行く。普段は人通りの少ない場所にあるが、ここ2年は新型コロナウイルス感染防止のため、一人ひとり間隔を空けて並んでいたのもあり、列が随分と長くなっていた▼そんな中、今年は若い男性4人組がしゃがみ込んで何かしていた。「何だ? こんなところで、邪魔だなぁ」と思ったが、よく見ると、彼らの前に止まっていたベビーカーの小さな子どもに向かって、おどけた顔をしたり、手を振ったりとあやしていた。どうやら赤ちゃんが泣き出し困っているお母さんを見て、笑わせようとしたようだ▼とてもほほえましい光景だが、「でも今のご時世、あまり接触しない方がいいんだよな…」と、素直に素敵な様子だと受け止められない自分に寂しさを感じた▼コロナ感染者数の急激な増加や、オミクロン株の流行により、またしても緊張感が増してきた。互いにマスクをせず、きちんと顔を見て話せる社会を、この2年間で生まれた赤ちゃんたちに早く見てもらいたい。 (馬上)

(ニュース和歌山/2022年1月22日更新)