お正月を過ぎた週末、車で走っていると、何度か長い行列を見かけました。和歌山市内はもちろん、紀の川市内も。私が大好きなラーメン店の行列です。県外からのお客様が戻ってきたのかなと、少しうれしくなりました。というのは、「和歌山ラーメン とんこつ醤油のだしが効いてる うわさの味だよ~」と歌っているからです。

 1998年の元日に放映されたTVチャンピオン「日本一うまいラーメン決定戦」で、和歌山市の井出商店が見事、優勝しました。それを見ていた地元のシンガーソングライター、植松淳平さん(写真右)は、幼いころから親しんでいた屋台の味が日本一になったと感激。一気に書き上げたのが『和歌山ラーメンの歌』でした。彼のライブで人気の曲で、共演した際に私が演歌風のコブシを入れ、ブギウギ調に歌ったところ、大反響を得たことから、2014年にCD化しました。

 実は、定休日の井出商店でレコーディングと撮影をしました。大将が作ってくださった一杯のラーメンを前にしての現地録音に、食べたい気持ちがあふれ、思わずよだれが…。ぐっと我慢し、その思いを込めました。聴くだけで風味が思い起こされ、口の中に広がるような歌に仕上がっています。

 発売記念ライブは花山温泉で、和歌山大学生が作ったラーメンと、歌とのコラボイベントをしました。その後、福山雅治さんが和歌山公演時に立ち寄った元車庫前丸宮紀ノ川大橋湊店でもラーメンライブを開きました。またやりたいなあ。

 地元の皆さんからは「どうしてタイトルが『中華そば』じゃないの?」とツッコミの声を多くいただきます。一方、東京や大阪のライブで「自己申告よ~」の歌詞の意味をお話しすると大ウケします。これこそ、歌を通じた文化交流のひとつではないかなと感じています。

 今回のユーチューブ動画は、井出商店の大将も映るレコーディング風景です。

演歌歌手 宮本静(毎月第4土曜を担当)