「紀州良いとこ 名所の国よ その名も高き 和歌山城♪」と『静の黒潮節』に歌いこまれた和歌山市のシンボル・和歌山城。お城のご天守を夜間に貸し出す取り組みが発表されたのは、今年の1月早々でした。

 和歌山市観光発信人の名刺をいただいている私は、夜間コンサートを開くため、いち早く申し込みました。いつにしたらみなさんに喜んでもらえるか考え、大好きな夜桜でお城がにぎわう時期に、ご天守がさらに輝くのが一番と、桜花の季節に決めました。

 『ふるさと癒やし歌』に、お城を歌った曲がいくつかあります。メジャーデビュー曲『我が名は青洲』は紀州徳川家の御殿医だった華岡青洲の生涯を歌い、『虎伏城のはやぶさ』はお城の上空を翔ぶはやぶさに思いを託した人生賛歌です。

 この中の1つ、吉宗公になぞらえて紀州男子の心意気を歌う『男節』は、同市フィルムコミッションを活用し、和歌山城でプロモーションビデオの撮影を行いました。男らしさを表現するために大きな和太鼓と大漁旗を振っていただきましたが、周辺に迷惑がかからないよう、太鼓は撮影用に寸止めでたたいていただきました。太鼓奏者の方は大変だったと思います。ご天守はもちろん、お城の南西に立つ吉宗公像や一の橋の前で歌う映像は、カラオケで全国に配信されています。

 「宮本静! 和歌山城・天守で桜花に歌う」は3月29日㊌午後7時から開催です。ライトアップされた和歌山城天守でふるさとの癒やし歌を聞き、地元の魅力を再認識していただけたらうれしいです。

 今回でこのコラムは最終回です。子どものころから作文が苦手な私が一年間頑張ってこれたのは、支えてくださる皆様のお陰です。これからも歌を通して和歌山の魅力を発信し続けます。またどこかのステージでお会いしましょうね。最後は『男節』の動画をご覧ください。

演歌歌手 宮本静

「紀流」は今回で終了します。

(ニュース和歌山/2023年3月25日更新)