学校の遠足や運動会、家族で出かけるとき、気になるのがお天気。また、台風が近づいてきた時は雨や風の強さ、地震が揺れた時は津波が来ないかなど 心配になるよね。そんな気象の動きを調べ、みんなに伝えているのが和歌山地方気象台(和歌山市男野芝丁)。今回はそんな気象台の施設や働く人を訪ねてみよ う。

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  和歌山地方気象台は今から137年前、1879年に今と同じ場所にできました。天気や気温、風向きなどの観測を当時から続け、現在は、天気の予測、警報や 注意報、地震情報の発表もしています。気象台では天気を予測する予報官だけでなく、県や市町村と情報を交換する防災気象官、浸水害の危険性を知らせる土砂 災害対策官など31人が働いています。

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 県内の天気は、気象台を含む18ヵ所で気温や雨の量、日が出ている時間などを機械で調べています。気象台には雨量計や気温計がありますが、雲の量は職員が目で見て、天気を判断します。

  たくさんの画面が並んでいるのは現業室という部屋。予報官がそれぞれの観測所から届いた情報と、気象衛星ひまわりからの衛星画像などから、これからの天気 を予測します。それらの情報は新聞やラジオ、テレビなどを通じてみんなの元に届けられます。予報官の男性は「和歌山県は南ほど雨が多く、南部の山間地は日 本有数の雨量です。台風の際は、それまでに降った雨の量や時間から警報を出すかどうか判断します。一番大事なのは実はそれを決める予報官の経験なんで す」。
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 気象台では観測情報を県や市町村に提供しています。情報を受けた職員は、水害や土砂災害の危険性があれば避難を呼びかけます。防災管理官の中野雅公さんは「みんなの命にかかわる重要な役割です」と話します。

  近年、力を入れているのが学校などへの出前授業と、夏休みに開くイベント「お天気広場」。お天気広場では、機械で発生させた竜巻や津波を見学し、南極の氷 に触れられます。中野さんは「まずは気象に興味を持つことが大切。災害時に命を守るために役立つ知識を学んでほしいですね」。

 見学希望は気象台(073・432・0632)。

写真上=雨量計:口径20㌢の穴にたまる雨水で雨量を計る。=気温計:わずかな変化も感じるので近づけない。=現業室には気象情報を映す画面がたくさん

(ニュース和歌山2016年1月13日号掲載)