県立近代美術館(和歌山市吹上)は4月から偶数月の土曜日に1回、小学生向けの鑑賞会「こども美術館部」を始めました。2回目の6月11日は16人が参加し、展覧会を考えたり作品の魅力を伝えたりする学芸員の青木加苗さんと、9月4日(日)まで開かれている展示「ドローイング 水彩・パステル・紙の世界」を見て回りました。
ドローイングとは、きちんと描いた絵ではなく、すばやく簡単に描きとめたもののこと。作者の考えや描き方が分かりやすいのが特徴です。
展示のひとつ、昭和から平成にかけて活躍した画家、関根勢之助さんの作品「絵画時間」の前で、青木さんが「これはどうやって描いたと思いますか?」と質問し、「実はこの作品は、目を閉じて描いています」と答えを明かすと、驚きの声が上がりました。
そこでみんなで実際に挑戦! 「トロトロしたもの」をテーマに、色鉛筆を2、3本選び、目隠し用マスクを付けて紙に向かいました。「ハチミツが溶けるところ」「チーズ…」とイメージを巡らせ、たくさんの円や線でできた不思議な作品がそろいました。
四箇郷小学校1年の内藤唯菜さんは「目をつぶって描くのは難しかったけれど、友だちと頑張りました」、智辯和歌山小学校3年の岡本悠吾くんは「美術館にはいい絵がいっぱいあるんだなと感じました」と笑顔。
青木さんは「作品を間近で見ると、『でこぼこしてるな』『キレイな色だな』と気付くことがたくさんあります。友だちと一緒に見て、感想を言い合ってほしいですね」と話していました。
近代美術館 夏のイベント
●こども美術館部
次回は8/6(土)「おぼえるってどんなこと」をテーマに「なつやすみの美術館 きろくときおく」をめぐろう。
●こどもギャラリートーク
7/31(日)と8/14(日)「きろくときおく」展の中から、青木さんが数点を選んでじっくりと解説する。
●たまごせんせいとわくわくアートツアー
8/10(水)~19(金)※14(日)、15(月)は除く。1日3回、先生を目指す和歌山大学の学生=たまごせんせいと、作品についてお話しよう。 ※いずれも高校生以下無料。詳細は同館(073・436・8690)。
(2016年6月22日号掲載)