お母さん きくこ、ご飯の支度するから手伝って。
きくこ はーい。
お母さん そうそう、この食器、和歌山で作られているのよ。紀州漆器といって、海南市の黒江という地区で400年以上前から作られてきたの。
きくこ 漆器なら社会の授業で石川県の輪島塗を習ったよ!
お母さん そうね。輪島塗、福島県の会津塗と並んで、紀州漆器は日本三大産地の一つなのよ。
きくこ そうだったんだ。
お母さん けど、最近は昔ほど売れなくて、職人さんが減っているわ。そこで、若い職人さん達が外国で売ろうと挑戦しているのよ。
きくこ 外国で?
お母さん そう。〝先端工芸〟といって、パソコンや3Dプリンターなどの先端技術と職人さんの技を組み合わせて作るの。ある角度から見ると模様が浮かび上がるデザインの箱や、漆器に絵を付ける蒔絵のランプシェードを生み出したのよ。
きくこ なんだかすごそうだね。
お母さん 作品は来年1月にフランスで展示されるわ。ほかにも、10月にイタリアでPRした職人さんや漆器屋さんもいるのよ。
きくこ イタリア?
お母さん 現地の学生さんに漆器に絵を描く体験をしてもらい、お盆や鉢などを紹介したそうよ。
きくこ 外国の人に、漆器が気に入ってもらえるとうれしいね。
写真=イタリア人も興味津々
(ニュース和歌山/2017年12月6日更新)