皆さん、牛乳は好きですか? 今から92年前の昭和元年(1926年)から牛乳を作り続けているのが、海南市溝ノ口にある寺尾牧場です。3代目、寺尾正行さんに教えてもらいながら、牛乳ができるまでを見学してきました。

①殺菌する


 空気も水もきれいな生石高原にある谷口牧場でしぼった牛の乳を運び、タンクに入れて、乳の中にある様々な菌を殺します(殺菌と言います)。

〝殺菌〟のポイント

 125度で一気に2〜3秒加熱する会社が多いですが、寺尾牧場はゆっくり温め、75度になってからじっくり15分間、その温度を保って殺菌します。味に深みが出て、まろやかになるそうです。

 

②ビンに入れる


 タンクからパイプを通っていった牛乳は、機械へ。小さいビンならきっちり180㍉リットルずつ入れます。

写真=ビンに1本ずつ機械で入れていく

 

③ふたをする


 ビンに紙のふたをして、その上からフィルムをつけたら完成! ちなみに、牛乳をビンに入れる機械と、ふた、フィルムをつける機械は、何と1960年から大切に使っているそうです。

写真=60年近く活躍しているる機械

たっぷり生クリーム


 これは、牛乳の中にある脂肪を細かくする機械です。この作業を「均質化」と言います。スーパーで売られているのは、ほとんどが均質化された牛乳です。寺尾牧場では均質化した牛乳と、均質化していない「ノンホモ牛乳」の2種類を作っています。ノンホモ牛乳は、びんの上の方に浮いてきた生クリームが、ふたの裏に固まるくらいたっぷりです。

 

 

味を守る3代目 寺尾正行さん


 正月など他府県から和歌山の実家に戻ってきた人に「寺尾牧場の牛乳を飲むとふるさとに帰ってきた気がする」と言ってもらうことがあります。さて、牛乳は季節によって味が変わるって知っていますか? 暑い夏は牛が水をよく飲むため、味は薄め。逆に寒くなってきた今からの季節は濃いんですよ。

(ニュース和歌山/2018年11月28日更新)