「声のこども市報 第186号です」──。マイクに向かって和歌山市が発行する「こども市報」を読み上げるのは朗読ボランティア「和歌山グループ声」のジュニア会員です。こども市報と朝日小学生新聞を読んだ声を録音し、〝声のニュース〟を目の不自由な人たちに届けています。
新聞や市報録音
和歌山県には現在、目の不自由な人が3652人います。グループ声は、ニュース和歌山や読売、朝日、毎日、産経など新聞のほか、県民の友や市報を録音して届けています。1970年に結成し、ジュニアは81年に活動を開始。今は小2〜6年の28人が所属しています。
こども市報は年4回、朝日小学生新聞は月1回録音します。大人の会員が子どもに身近な記事を約10本選び、録音の半月前に当番の子の家に送ります。当番の子は家で記事を何度も読んで練習し、収録当日にアドバイスをもらい、録音に臨みます。
勉強にもなる
完成したCDは、大阪や兵庫、京都などの支援学校、和歌山の点字図書館や福祉施設に届けます。有功小6年の井上恵里花さんは「和歌山弁が少し直りました。アナウンサーみたいにすらすら読めるようになりたい」、宮小6年の神谷聡佑くんは「目の見えない人に、知らないこと、新しいことを伝えられるのがやりがいです」と笑顔で話します。
盲学校の授業で使われたり、「聞きやすい」とお年寄りが聞いてくれたり、様々な人に喜ばれています。宮小6年の上野有彩さんは「人前だと緊張しますが、マイクの前は大丈夫。難しい言葉を覚え、漢字の意味を知ることができます。聞く人に伝わるよう、分かりやすく説明する力もつきました」と魅力を語ります。
写真=録音する部屋で練習するジュニアメンバーと大人の会員
「役に立ちたい」大切に グループ声副会長 中西由美子さん」
「記事を読み上げる子と聞く子、お互いに顔も名前も知らないけれど友達に感じられます。卒業生は中学や高校で放送部に入ったり、弁論大会に出たりして活躍しています。世の中の役に立ちたいという気持ちを大きくなっても忘れないでほしい」
小学生会員募集中
活動は2ヵ月に1回、第3日曜。和歌山市木広町のふれ愛センター2階で。活動費年2000円。申し込みは1月15日㊋までにグループ声(073・431・3834、メールko
e@skyblue.ocn.ne.jp)。
(ニュース和歌山/2018年12月12日更新)