大雨や洪水といった気象警報が出た時、地震が起こった時、津波が襲ってくる可能性がある時など、注意を呼びかける放送を流す防災行政無線。あれはどのように流しているんでしょうか? 和歌山市の仕組みを例に紹介します。
写真=和歌山市の地図が表示されたモニターのある無線室
①音声データを作る
和歌山市八番丁の消防庁舎6階にある総合防災課。防災行政無線を操作する機械はここにあります。警報が出たり、地震が起こったりして放送する場合、「大雨警報が発表されました」「和歌山市で震度4の地震が発生しました。なお、津波の心配はありません」など、パソコンで文字を入力します。その内容を、女の人が話しているような音声データにコンピュータで変えます。だれかがマイクの前にいるのではないんですね。
②アンテナから発信
音声データは、消防庁舎のすぐ近く、市役所屋上の大きな鉄塔にある送受信アンテナ(写真上)へ送ります。ここから、みんなが通い、災害が起こった際に避難所となる小学校や、公園、海や川に近いところなどに設置されたスピーカーへと発信されます。
③スピーカーで放送
送受信アンテナからの情報を受けたスピーカー(写真左)から、放送が流れます。和歌山市内には現在、約180ヵ所にスピーカーがあり、2021年度までに220ヵ所へ増やす計画です。ちなみに、毎日夕方5時に『夕焼け小焼け』が流れていますが、これはスピーカーが壊れていないかのテストを兼ねています。
情報を集める手段 話し合っておこう
和歌山市総合防災課防災対策班、八牟禮敏之班長
災害はいつ起こるか分かりません。万が一に備えて、いつでも皆さんにとって大切な情報を流せるように、総合防災課には24時間365日、職員がいます。しかし、防災行政無線の機械が地震などで壊れてしまい、使えなくなる可能性もゼロではありません。緊急の時、他にどんな方法で情報を集められるのか。普段から家族で話し合っておいてください。
防災行政無線の内容は電話でも聞けます。
和歌山市 0180・997・199
海南市 0120・170・089
岩出市 0120・77・2141
紀の川市 0736・77・1860
(ニュース和歌山/2019年6月26日更新)