幹はうす 訪問看護師が立ち上げ

 日常生活で医療行為を必要とする0~6歳の医療的ケア児を対象にした看護小規模多機能型居宅介護事業所「幹はうす」が、和歌山市冬野に開所した。訪問看護師の丸山美智子代表は「利用者の状況をよく知る看護師が訪問やデイサービスなどを一貫して担当するので、小さな変化に気づきやすく、きめの細かいサービスを提供できる。地域で医療的ケア児と家族を支えていきたい」と意気込んでいる。

 医療的ケア児対象のデイサービスや訪問看護、宿泊などの障害福祉サービスを行う共生型事業所は県内初。訪問看護を利用しても24時間のケアで気が休まらず、負担がのしかかる家族の姿を近くで見てきた丸山代表が6月に立ち上げた。

 新生児のころから訪問看護を受けている女児の母親はケアマネジャーの資格を持っていたが、日中預けられる施設が不足しているため、復職が難しかった。丸山代表は「安心して子どもの看護を頼める場所が増えれば、親の就労機会が広がると思いました」。母親は「娘をデイに通わせることで時間と心に余裕が生まれた。11月に仕事に復帰する予定です」。

 現在、低出生体重児や先天性疾患を持つ0~2歳の10人が訪問看護を受けながら週2回デイサービスに通う。看護師が食事、沐浴(もくよく)、たんの吸引などを行い、保育士が絵本の読み聞かせや手遊びを担当。個人の状況や成長に合わせて理学療法士や作業療法士が対応している。

 同所(073・479・5785)。

写真=絵本の読み聞かせに興味しんしんの医ケア児たち

(ニュース和歌山/2020年8月29日更新)