ハガキや封筒を出すとき、切手の上に押してもらう消印。郵便物を預かった局や日が書かれているハンコですが、実は半分くらいの郵便局にはそこでしか押してもらえない特別な消印「風景印」があります。それぞれの地域にある美しい風景や観光地がデザインされています。
種類は1万以上
風景印は、全国の郵便局2万400局中、およそ1万1000局、中には船内の郵便局や南極にある昭和基地でも押してもらえます。和歌山県内では300局中150局、和歌山城や那智の滝などがあります。
18年前に風景印を作った和歌山市毛見の和歌山毛見郵便局は、名草山とサンブリッジ、枠からはみ出したヨットのデザイン。毎月10人ほどが押してほしいと訪れます。マリーナシティで挙げる結婚式の招待状に押そうと来る人もいるそうで、小方保寛局長は「風景印を押す時、送る人から受け取る人への特別な思い入れを感じ、いつも緊張します。郵便局は小学校とほぼ同じ数があります。それぞれの小学校区で風景印を作るとしたらどんなデザインになるか、イメージしてみると楽しいですよ」と話します。
児童へ暑中見舞い
風景印を押したハガキをこの夏、クラス全員に送った小学校の先生がいます。紀の川市南中の池田小4年A組担任、矢野朋希先生です。矢野先生は和歌山県内の49局を回り、一人ひとり違う風景印を押した暑中見舞いを送りました。
紀の川市の国分寺、岩出市の根来寺などの風景印が押されたハガキが子どもたちの家に届きました。佐々木悠成くんは「和歌山中央局の消印。和歌山城がかっこいい」。有田川町にある田殿局の消印だった岡田大空くんは「模様にあるコスモスを見に行ってみたい」。岩田楽姫ちゃんは紀三井寺が描かれた和歌山南局で、「祖父が紀三井寺に住んでいてなじみがある。自分も風景印で送りたい」と笑顔を見せます。
矢野先生は「有名な文化財や建物以外にも、地域で大切にされている物がたくさんある。風景印を通じ、そういった物や場所があることを知ってほしい」と願っています。
写真=届いたハガキをみんなで見せ合った
〜風景印の送り方〜
その①…郵便局窓口へ持って行き、「風景印を押 してください」とお願いする。
その②…風景印を押してほしいハガキに切手を貼 り、宛先を書いて封筒に入れ、「風景印 押印依頼」と封筒に書き、押してほしい 郵便局へ送る。
(ニュース和歌山/2017年8月23日更新)