大好きなことを見つけ、一生懸命取り組む和歌山の子どもたち。頑張りが「できた!」につながり、よろこびが自信の花を咲かせます。まぶしい笑顔が輝く4組の〝キラ星KIDS〟を紹介します。

ウォールトランポリン知って

野崎西小学校6年 竹浪    くん
      4年 竹浪 碧杜くん

 壁と、横付けしたトランポリンを使い、技を披露する「ウォールトランポリン」。跳んで壁を駆け、より高く跳ね、体をひねったり、宙返りで壁の上に着地したり──。カナダのサーカスから始まった新スポーツで、日本でも5年前から全国大会が開かれています。

 高さ2~3㍍の壁を前に、日々練習に取り組むのは、竹浪史くんと、碧杜くん兄弟です。「あまり怖くない」と言う碧杜くんに対し、史くんは「慣れない技の時は緊張するけど、成功すると達成感があります」とにっこり。

 3年前、体操教室の先生だった井本剛寛さんが空中を跳び回る姿に心奪われ、教えてもらうようになりました。1年ほどで、メキメキ上達。2022年10月には、井本さんのパフォーマンスチーム「ラナ・トランプ」の一員として、イベントに出演しました。渡されたチームTシャツは宝物で、うれしさのあまり抱きしめて寝たほどです。

 楽しく跳んでいた2人ですが昨年11月、井本さんが全国優勝したのを機に、「トロフィーが欲しい」と目の色を変えます。特に史くんは、11月の大会優勝を目指し「技を増やし、精度を上げたい」と一層熱を込めています。

 インスタグラム「@pu pi.ao」で練習の様子を発信中。「もっと多くの人に知ってもらいたい」と、アピールしています。

写真=宝物のチームTシャツを着る 史くん(左)と碧杜くん

絵本英訳 スライドで公開

和大附属小学校6年 丹野 琴音さん

 病気で目が見えなくなった男性のバス通勤を、和歌山大学附属小学校の子どもたちが毎日手助け。その実話を元にした絵本『バスが来ましたよ』を英訳して朗読、昨年8月末からユーチューブにアップしています。

 きっかけは、クラスでこの話をミュージカルにし、和歌山城ホールで上演したこと。「これを外国の人にも知って欲しい。英語の読み聞かせをして、ユーチューブに上げよう」と考えたのです。

 男性とはたまたま同じバスを使っていたこともあり、附属小の子どもが手伝っている姿を見ていたのも頭にありました。

 訳して文字を打ち、イラストに合わせて朗読しスライドを制作。完成まで約1カ月かけました。

 英語にする時に悩んだのは、日常的な言葉です。例えば、「さよなら、おじさん」の「おじさん」。どう言えば良いのかと、色々調べて、「Sir(サー)」を使いました。

 スライドについて、「最初にしては、良かったかな」と出来には満足。それでも、文字が小さく、読みにくくなったところもあり、「1画面に何行も入れず、分ければ見やすかった」と反省しています。

 力作が評価され、6月には再生が千回を超えたほど。今は、絵本『パンダ銭湯』の英訳に取り組んでおり、「夏休みが終わるまでには完成させたい」と考えています。

写真=Kotori-chuuber」として発信中

本家追い越すミニバブルマン

山東小学校3年 吉村 陽くん

 四季の郷公園のパフォーマー、バブルマンに憧れる〝ミニバブルマン〟。オーバーオールにメガネ、ハンズフリーマイクを付け、本家さながらシャボン玉を飛ばします。

 昨年8月、初めてバブルマンのショーを目にし、ただよう無数のシャボン玉に圧倒されます。すぐに道具を購入し、挑戦。「いっぱい飛ばした時、すごく楽しかった」と、とりこになりました。

 公園で練習に励んでいると、バブルマンから声がかかり、ショーに参加し始めます。秋には、こども園で技を披露。「1人で緊張したけど、いざやってみたら平気だった」と、自信をつけました。

 日ごろから、TikTokほかで技を勉強し、「細かいのがたくさんできる方が好き」と、網を使ったり、小さい目のチェーンをつなぎ合わせたり、工夫を凝らします。液も手作りです。

 休日はできる限り公園に通い、バブルマンと共演します。ゴールデンウィークは、2本の棒に5本のチェーンを渡した道具を手に、お客さんの前に。当時、バブルマンでも4本までで、「先に成功させたかった」と得意げです。翌週には、およそ15分も単独ショーを行うなど、進化は止まりません。

 将来の夢はバブルマン…ではなく、「学校の先生になり、シャボン玉も続けます」と、趣味を楽しむ大人を目指します。

写真=大きなシャボン玉もお手のもの

マンガ感想文でグランプリ

智辯学園和歌山小学校4年 川久保 百恵さん

 マンガを通して読書や学習の楽しさを知ってもらおうと、小、中、高校生を対象に毎年実施される「マンガ感想文コンクール」。昨年、小学校低学年の部に応募し、グランプリを受賞しました。

 夏休み、お母さんから「この本で感想文を書いてみたら」と勧められたのが、4コママンガの『とりぱん』。東北地方に住む作者のとりのなん子さんが、実家や仕事場に鳥のえさ台を作り、訪れる野鳥の様子を観察するエッセイマンガです。「昔から家の本棚に並んでいて、何度か読んだことがありました」と振り返ります。

 実は、長い文章を書くのは苦手でしたが、「このマンガについて書き始めると、なぜかペンが進んで、20分ほどで下書きができました」とほほ笑みます。原稿用紙2枚に、おもしろい話を見つけたら、お姉さんにも教えてあげることや、普段生活する景色の中に、いろんな生き物が暮らしていると改めて感じ、「自分のまわりの自然にますます興味が出てきました」と書いたところ、審査員の好評価につながりました。

 グランプリに選ばれた時、「えっ! すごいことになってる」とビックリしました。「賞をもらって、作文を書くことに少しだけ自信を持てましたが、やっぱりまだまだ苦手かな」と照れ笑いを浮かべていました。

写真=「マンガはこれからも読みます」

(ニュース和歌山/2024年6月29日更新)