紀州に伝わる名刀の魅力に迫る特別展「きのくに刀剣ワールド」が4月24日㊏〜6月6日㊐、和歌山市吹上の県立博物館で開かれる。

 紀州では、しばしば戦が起き、武器の需要が高まった南北朝時代以降、刀剣が作られるようになったと見られる。今展では、刀工が手掛けた作品を中心に、金属で細工を行う金工による刀装具など、国重要文化財6点を含む130点を紹介する。

 主な展示品は、11代に渡り紀州藩に仕えた重国(しげくに)の作品のうち、県指定文化財の「刀銘於南紀重国造之(かたなめいなんきにおいてしげくにこれをつくる)」、江戸の武士に切れ味が人気だった大和守安定(やまとのかみやすさだ)の「脇指銘(わきざしめい)大和守安定」など。同館は「反り方や模様などが同じ刀工の作品でも1本ごとに異なっています。時代ごとの流行もあり、刀剣の個性を感じられます」。

 午前9時半〜午後5時。㊊休館だが、5月3日は開館し、6日㊍休み。520円、大学生310円、高校生以下と65歳以上無料。
 展示に関連し、講演会「紀州の刀剣」を実施。テーマは5月9日㊐が「古刀編」、23日㊐が「新刀・新々刀編」。いずれも午後1時半。講師は日本美術刀剣保存協会県支部の高屋健治副支部長。希望者は同館(073・436・8670)。各日先着20人。

写真上=国重要文化財「太刀守家作糸巻太刀拵」(紀州東照宮所蔵)
同下=柄の表と裏に付ける金具「十二支目貫銘藪常之」(個人所蔵)

(ニュース和歌山/2021年4月24日更新)