鮎釣りや川下りにリバーカヤックと和歌山の川には様々な遊び方があります。
ある年の1月、アメリカからの学生を連れて中辺路の近露を訪れました。ここを流れる日置川にはたくさんの秘密があります。干ばつの時、昔の人は川を上り源流まで行き、雨乞いをしました。
学 生を誘い、川沿いではなく浅瀬の川の中を4㌔歩きました。岩に霜が降りる真冬の早朝です。初めはだれもが顔をこわばらせていましたが、1歩、1歩と水の中 に踏み入れるごとにその表情は和らぎました。足にダイレクトに感じる清流の流れ、顔に吹き付ける冷たい風、渓谷ならではの薄暗さと、川面のきらめき。上か ら眺めていただけでは知らなかった風景に出合いました。
自然との一体感を味わうリバーウォーキング。和歌山の川でたくさんの人に味わってもらいたいです。
※第2・4水曜号掲載。次回は1 月27 日号です。
(ニュース和歌山2016年1月13日号掲載)
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オーストラリア出身の写真家、映像ジャーナリスト。2008年に来日し、和歌山大学観光学部の特任助教を務めるかたわら、太地町の捕鯨文化をユネスコの産業遺産に登録するため、文化財の独自研究と調査を進めている。