怖さ:3 山の妖怪 出没地域:熊野古道など
山では「ダル」に憑かれることがある。山で飢えて死んだものが悪霊になり、人に取り憑く。それがダル(もしくはダリ)だ。
ダルに憑かれると、急に脱力感に襲われ、意識がもうろうとし、歩くことすらできなくなってしまう。空腹の時に憑かれやすく、そんな時は米を一粒でも食べるとダルが退くので、山で弁当を食べる時は、飯粒を一粒でも残しておく慣わしがあった。飯粒がない時には、手のひらに「米」という字を書いて、それを食べる真似をするとよいとされる。
かつて南方熊楠も熊野山中で取り憑かれたことがあるそうだ。
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(ニュース和歌山2016年6月4日号掲載)