怖さ:4 海の妖怪 出没地域 熊野灘周辺

160910_youkai 熊野の海には全身真っ青な犬が棲んでいるという。海で死んだ子どもの魂が集まってできた犬だと言われている。人間が2人以上だと現れないが、幼い子どもがひとりで海辺にいると、海から出て来て海底に引きずり込むので、昔から熊野灘の海辺で暮らす子どもたちは「暗くなると海辺に行ってはいけないよ」と教えられた。暗くなってから海辺で貝殻を耳にあてると、「ルルル、ルル、ルル」という音が聞こえる。これが海犬の鳴き声だという。「海に犬」、そのミスマッチな光景に一瞬、心を奪われるが、夜の海辺、月明かりに照らされながら、息荒く海から上がってくる青い犬の姿を想像してみてください。魔界からの使者に見えること間違いない。

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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山2016年9月10日号掲載)