2013年、僕は当時、関西リーグ1部だったFC大阪に所属していました。順調に白星を重ね、勝てば優勝という試合、対戦相手はアルテリーヴォでした。
その日は台風が接近し、警報こそ出ていなかったものの、強い雨が打ちつける最悪の天候。しかも会場の紀三井寺サブグラウンドには観客席がありません。そんな状況でもアルテリーヴォを応援する人は150人ほど集まっていました。対してFC大阪のサポーターは、優勝が決まる試合にもかかわらず、わずか3人。「熱いサポーターがいる和歌山でプレーしたい」。そんな気持ちが芽生えた試合でした。
翌年、アルテリーヴォに入団し、大きな声援の中で3年間、サッカーに打ち込んでこられました。そんなサポーターと共に戦う勝負の1ヵ月がこの11月。JFL昇格をかけた「全国地域チャンピオンズリーグ」が行われます。12チームを3グループに分けて1次リーグを行い、勝ち抜いた4チームで決勝リーグを戦う短期決戦です。
正直、今は期待と不安が入り交じっています。全国リーグであり、いよいよJリーグが見えてくるJFLに向けた戦いに参加できるというワクワク感。一方で、1年間積み重ねてきたことの結果が出る残酷な大会でもあります。当然ですが、「どれだけ練習すれば昇格できるのか」なんて分かりません。勝ち抜くには運が必要だということも昨年、この大会に出場し実感しました。
JFL昇格切符は2枚。一発勝負で勝つために求められるのは、精神力と団結力です。苦しみながらも関西リーグを連覇できたこと、そして多くのサポーターがついてきてくれていることを自信にし、1年間やってきたことを全員でぶつけます。(第1土曜掲載)
★10月の公式戦結果
KSLカップ
第1戦 ●0─2 阪南大クラブ
第2戦 △1─1 ラランジャ京都
(2016年11月5日号掲載)