自然豊かな丘陵にある、旧那賀町のファーマーズマーケットふうの丘。店内に併設するおしゃれなカフェ「ムリーノ」は、「野菜で旅する」をコンセプトにした多国籍ランチプレートが好評だ。これまで世界25ヵ国を旅したマネジャーの立畑千賀子さん(43)が旬の野菜をアレンジし、食べる人を様々な国へ連れて行く。
地元の新鮮野菜使い
ショーケースにはこぼれんばかりに果物が盛られたケーキ、キッチンにはスパイスの瓶がずらり。ムリーノは紀の川市で野菜や加工品を生産するソーシャルファームもぎたてが運営する。
「農産物直売所の中にある強みを生かし、使う野菜は地元産の新鮮なものばかり。根がついたままのセリやピンク色の大根など、スーパーでは手に入らない素材にアイデアが膨らみます」
海南市でエスニック料理と雑貨の店を開いていた際、買い付けを兼ねて世界中の食堂を巡った経験から、国をテーマにした期間ごとに替わるランチプレートを提供する。
「スイス、イギリス、マレーシア、ポルトガルと様々な国の味を作ってきました。例えばハワイなら新鮮なトマトでハンバーグを煮込んだロコモコ、ロシアの時はロール白菜、沖縄ならタコライスをメーンに、野菜たっぷりのサラダとスープなどを添え、色鮮やかに盛りつけます」
欠かせないスパイス
海外の料理に欠かせないのがスパイス。昨年、スクールに通い、スパイスコーディネーターの資格を取得し、さらに上級へ向け勉強を重ねる。
「2年間住んだインドネシアのカレーはココナッツとかんきつ系のさわやかな香り漂う忘れられない味で、これも再現してメニューにしています。独自に調合したスパイスの中には紀の川市産のものも。ベトナム人の方が紀の川市で作っている香りの強いレモングラスを見つけました」
紀の川市産の果物を盛り上げようと、市内全域で4月9日(日)まで開催中の「ぷるぷる博覧会」にも名を連ねる。
「農業体験とランチを楽しむプログラムをしています。このあたりはどこかバリやイタリアのトスカーナの風景に似ています。ちょっとした旅行気分で楽しみに来ていただきたいですね」
さて、ランチで誘う次の旅先は…。
写真=沖縄をテーマにしたプレート
ムリーノ…紀の川市平野927、ファーマーズマーケットふうの丘内。午前11時〜午後5時。火曜休み。☎0736・75・9077。
(ニュース和歌山より。2017年3月8日更新)