透き通ったあっさりスープに極細めん、そして具材の白菜と豚肉。海南市冷水のRAGUMAN本店は、ウズベキスタンのめん料理ラグマンをヒントに開発した独自のラーメンで根強い人気を誇る。オーナーの寒川憲男さん(66)が1993年の創業以来、追求するのは、女性に愛される店づくりだ。

透き通ったスープ


 たっぷりの白菜を手早く炒め、白しょうゆベースの特製だれ、鶏ガラメーンのスープ、豚肉と一緒に煮込む。極細めんを盛りつけた器に注げば、自慢のラーメンが完成だ。

 「こだわりはこの見た目。スープが透き通ってるでしょ? 豚骨の比率を抑え、女性にも食べやすくしました。具の白菜は、キャベツのようにかたくなく、味に癖がないので食べやすいんです」

 イタリア料理店にステーキハウス、ケーキ店に洋酒喫茶…。18歳で食の世界に飛び込み、東京、大阪、和歌山の様々な店で腕を磨いた。独立したのは1993年。42歳の時だ。

 「ふと考えると、女性が一人で気軽に入れるラーメン店がない。ちょうどそのころ、ラーメンのルーツを探って、シルクロードを旅するテレビ番組があり、たどりついたのがウズベキスタンのめん料理ラグマンだったんです」

メニュー多彩に60種

 未知の料理だったが、多彩な調理経験を生かし、中華料理のシェフをする友人の協力を得て研究を重ね、和歌山市内に店を構えた。2004年には海南市内の現在の場所へ本店を移した。店内からマリーナシティや港まつりの花火を望める絶好の場所だ。

 「当初、3つだったメニューは、現在は約60種類。注文が多いのはベーシックなRAGUMANラーメンですが、女性にはトマトスープにチーズと青じそをのせたイタリアンRAGUMAN、スープパスタのようなカルボナーラRAGUMANが人気ですね」

 ねらい通り、客の7割は女性。インターネットで評判を聞きつけ、京阪神や、遠くは台湾から訪れる客もいる。


 「座右の銘は〝愛〟。命ある全てのものに対しても、物に対しても。この店は開店14年ですけれど、調理場は『新品そのもの』と業者も驚くほど。『RAGUMANに行ったら、調理場を見せてもらえ』と聞き、精算後にのぞき込まれるお客さんもいますよ」

 閉店後、自ら1時間以上かけ、厨房を磨くのが日課。ピカピカのステンレスが、客への愛の大きさを表している。

写真=人気の1つ、ポトフRAGUMAN

RAGUMAN本店
海南市冷水682。17時30分〜23時(LO22時45分)。月曜休み。電話073・483・5454。
※本紙配布地域では和歌山市黒田と岩出市高瀬にフランチャイズ店あり。

(ニュース和歌山より。2017年3月22日更新)