川の妖怪

出没地域:橋本市

怖さ:4

 鎌倉時代、幕府の実力者だった北条時頼は諸国めぐりの際、橋本の利生護国寺に滞在した。
 ある日、地元・隅田党の代表らが時頼を紀の川の川狩りへ招いた。その日は好天で大漁だったが、突然暗天の雲が空を覆ったかと思うと、地鳴りと共に大鯰が現れた。
 時頼らは果敢に槍を投げつけた。暴れる大鯰は真っ赤な血を噴出させ、まるで縄のようによじれながら川下へ流れていった。
 大鯰の出た深みは今でも橋本市隅田町中下あたりにあり、「血縄の渕」と呼ばれている。
 ちなみに今回は「鯰絵」を描いてみた。鯰絵とは地震よけのお守りのこと。ぜひ皆さんもこの絵をお部屋に貼っていただきたい。
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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山より。2017年4月15日更新)