和歌山の海で春から夏にかけてよく見られる、派手な色彩が特徴のこのクラゲは、泳ぐ姿の美しさを花笠踊りに例えてハナガサクラゲと名づけられました。
昼間はあまり泳がずに触手をコイル状に縮め、海藻の間や岩の上などにひっそりと沈んでいる姿をよく見かけます。夜になると触手を伸ばし活動的になります。刺されると激しく痛む刺胞毒を持っていて、その毒によって小魚を捕らえ、丸のみにして食べます。
大きめのハナガサクラゲを観察すると、たまにエビを発見します。写真の個体にはエビが4匹ついているのが見えますか? エビにとっては外敵から身を守ってくれる、住み心地の良い宿主となるようです。古座の海底では美しいお宿が静かに夜を待っています。
写真=傘の直径が10㌢ほどのハナガサクラゲとエビ
協力:DIVE KOOZA
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写真家 塩崎仁美…東大阪市出身。和歌山県内を中心に水中写真を撮影。東日本大震災の被災地でもボランティアダイバーとして活動している。
(ニュース和歌山より。2017年5月24日更新)