今回は私の活動を紹介します。配属先であるペルー野球連盟からの要請は、主にリマ市内の各リーグに所属するチームへの巡回指導、首都および地方での野球普及活動、ペルーナショナルチームへの指導補助で、現在は小学生・中学生を中心に5ヵ所の球場で活動しています。
リマ市ヘスス・マリア地区の球場では約20人の小学生に野球を教えています。ここでは役割が分担されており、私は野球を始めたばかりの子や、6、7歳に野球の楽しさや、基礎を指導しています。小さい子はすごくのみ込みが早く、「トシ、これで大丈夫か?」「トシ、今のでよかったか?」などすぐ質問をしてきて、「上手になりたい!」という気持ちが伝わってくる一方、集中力が続かないため、常に楽しく集中できる練習内容を考えなければいけません。
次にコーマス地区にあるHIDEYO NOGUCHIという日系人向けの学校での指導。ここは私が住んでいる所からバスで1時間半かかり、整備されたグラウンドはありません。ここでも約20人の子どもたちが、日本から寄付された野球道具を使って練習しています。レベルはまだまだではありますが、みんなで白球を追いかけている姿を見ると、なぜか心が温まります。やはり笑顔は大事です。
また、プエブロ・リブレ地区にあるアエルという総合スポーツ施設は、様々な設備が充実しています。ここでは7月に日本へ遠征するペルー選抜代表の小学生に指導しています。照明設備も充実しているため、平日の午後5時から8時半まで練習に打ち込め、「日本遠征で良い結果が出せるように」と日本とほぼ変わらない練習内容で指導しています。
このほか、カヤオ球場やビデナ球場でも指導し、多くの子どもたち、指導者とかかわることができています。なかなか思ったような活動ができない場合もありますが、子どもたちが野球に集中し、上手になっていく姿を支えていきたいと思います。
写真=日本遠征に向け夜も練習
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向陽高校出身で元甲子園球児の森敏郎さんが、青年海外協力隊として赴任するペルーから現地レポートを届けます。掲載は偶数月の第3土曜号です。
(ニュース和歌山/2017年6月17日更新)