山の妖怪
出没地域:熊野地域
怖さ:2
植物を観察していると、人や動物の顔に見えることがある。多肉植物や食虫植物には姿形が妖怪さながらのものも少なくない。
和歌山には山姥顔の花が伝わる。呪いをかけられた夕顔の花で、しわくちゃの山姥の顔にそっくり。熊野にすむ山姥の呪いのせいという。なぜ呪いをかけられたのかは詳細が残っていないが、夕顔にはしわのよった花びらを持つ種類があり、この花びらが山姥の顔に似ていたため、こう呼ばれたのだろう。
ただ、この花はちぎると、切り口から赤い血がポトポトとしたたり落ちるというので、しわくちゃの夕顔が珍しいからといって、むやみに持ち帰らないでいただきたい。
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妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。
(ニュース和歌山/2017年8月12日更新)