地元の海の幸を使ったピザ、さらに和歌山県産の果物や塩を材料にしたジェラートが人気の「REI CAFE」(海南市大野中)。オーナーシェフ、木村貴行さん(40)が故郷に構え、今秋で5年を迎える。「『地域活性化に役立てる店に』との思いは開店時より大きくなりましたね」。自慢の味で貢献する。
海の恵みたっぷりピザ
400度の石窯で1分半。定番のマルゲリータやビスマルクなどに加え、〝和歌山「海」のピザ〟に注文が集まる。加太のタコを使ったガーリック・マルゲリータ、釜揚げしらすのピザ・ビアンカ、勝浦漁港産マグロの自家製ツナとコーンのピザの3種類ある。
「タコ、そしてツナのピザは夏限定です。歯ごたえが独特なタコのピザはニンニクがきいていて、ビールとの相性抜群。ツナは自家製で、こちらは1年中あるんですけど、トウモロコシが夏場だけなんです。店から歩いて10分の畑で専属農家に育ててもらっています。朝採りのトウモロコシはメロンより甘いですよ」
ジェラート 決め手は塩
20代前半、大阪の製菓学校で学ぶかたわら、心斎橋のイタリア料理店でアルバイトに励んだ。そこでピザを任された経験が原点だ。ピザのほか、和歌山の味にこだわるのがジェラート。まりひめ塩ヨーグルト、あら川の桃・塩レモンなど4種類で、いずれも県の優良県産品推奨制度「プレミア和歌山」に認定されている。
「加える塩は、紀伊水道の海水を炊きあげて広川町で作られる『稲むらの塩』です。ミネラルが豊富で味がまろやか。スイカに塩をかけるのと同じように、果物の甘さが引き立つので、その分、砂糖を減らすことができる。おいしくてカロリーが低く、塩分補給できて熱中症予防にもなる自信作ですよ」
店名の「REI」は数字の「0」の意。数字の丸い形から、〝円=縁〟との思いを込めた。
「1つ新商品ができて、商談会に顔を出し、そこで農家の方らとの新たな出会いがあり、それがまた新商品につながって…と店を始めてから、人脈が広がった。様々なメニューが生まれたのはこのご縁のおかげです。『鱧(はも)の街・菓子の街 海南プロジェクト実行委員会』の一員として活動していますが、今後もお店づくりと並行し、地域づくりに力を入れたい。地域一丸となって海南を訪れた方をおもてなししてゆければ」
食材や料理に向ける熱いまなざしを、故郷にも注ぐ。
石窯ピザとカフェの店 REI CAFE…海南市大野中677。午前11時〜午後9時半(閉店時間は日により異なる)。月曜と第3火曜休み。☎073・460・0308
(ニュース和歌山/2017年8月23日更新)