豊かな感受性が魅力 原田波人さん(西和中3年)

 優しい声でしみじみ歌い上げるのは、演歌や昭和歌謡。高校受験を間近に控えた今も、毎日の発声練習は欠かさない。「一番好きな曲は石川さゆりさんの『転がる石』。聞いていると、自分の中に響いてくるものがあるんです」と目を輝かせる。

 すぐ近所に住む演歌好きの祖父に大きな影響を受けた。氷川きよし『ときめきのルンバ』や市丸『三味線ブギウギ』など、幼いころから何気なく口ずさむ鼻歌も、見よう見まねで裏声を交え、こぶしをきかせた。

 知人の紹介で老人ホームを訪問したり、プロ歌手のディナーショーにゲストとして招かれたりと、次第に人前で歌う機会が増えた。昨年はNHK「のど自慢」のチャンピオン大会に出場し、入賞こそならなかったが、審査員の作詞家、荒木とよひささんから「感受性がすばらしい」と高く評価された。

 声変わりが始まった中学1年の時、歌への情熱が衰えた時期があった。「そのころ、氷川きよしさんのコンサートに行き、ただただ楽しかった。夢は氷川さんのように、観客を魅了できる演歌歌手です」

(ニュース和歌山/2018年3月3日更新)