『どろんここぶた』(文化出版局) 作・絵 アーノルド・ローベル 訳 岸田衿子
お百姓さんちのこぶたは、食べることと眠ることが大好き。でも何よりも好きなのは、軟らかいどろんこの中に座ったまま、ずずずーっと沈んでいくことでした。
ある朝、大掃除を始めた奥さん。「ここが一番汚いねえ」。そう言って、どろんこを掃除機で吸い取ってしまいました。怒ったこぶたは家出。どろんこを探して、あちこち回ります。大きな町で、やっと見つけたどろんこ。「わーい!」と座ったら…、あれ、なんか変です。「だんだん固くなってくる!」。こぶたが入ったどろんこは、セメントだったのです。
どろんこに座るこぶたのうれしそうなこと! 幸せなこぶたの気持ちが伝わってくる絵本です。
(和歌山市民図書館司書 額田美那子)
(ニュース和歌山/2018年3月14日更新)