明治九(一八七六)年に建設された初代県庁舎です。背後の和歌山城からも分かるように、初代県庁舎は正面を北に向けて建っていました。

 ここはもと和歌山城内三の丸です。手前のくぼ地は、第16回でご紹介した湊橋があった西の丸川の続きです。左端の汀橋は江戸期にはなかったものですが、県庁舎への通路として架けられました。この写真は名刺大の小さなものですが、見ると、県庁の看板文字が読み取れます。

 (古書肆紀国堂=和歌山市築港1─11、073・499・8039=店主の溝端佳則さんのコレクションを紹介します)

(ニュース和歌山/2018年5月5日更新)