怖さ:2
山の妖怪
出没地域:田辺市本宮町

 加夫羅太伊はミミズのことで、奥熊野のある地域ではそう呼ぶらしい。こんな話がある。ある日、本宮に暮らす新兵衛という男が子どもを連れて、大瀬山で木を切っていた。近くで騒がしい音がしたので見ると、大小様々な加夫羅太伊がウヨウヨ這い出でてきた。新兵衛の子は鰹脯(かつお=鰹を干したもの)を持ち、加夫羅太伊はこれを嫌うと言う。鰹脯を火に入れると、その通り、加夫羅太伊は早々に退散していった。

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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山/2018年6月30日更新)