第1土曜の「#イマワカtalk(とーく)」。8月は橋本市出身、注目の若手尺八奏者、辻本好美さん(30)です。和の楽器で洋楽を軽快に奏でる動画がSNSで反響を呼び、これまで24ヵ国で演奏するなど、国内外で活躍中。8月11日(土)には「わかやまお城クラシック♪」に出演し、会場となる和歌山城天守閣の最上階で音色を響かせます。
マイケル 和の音で
──生まれ育ったのは橋本市ですね。
「子どものころは音楽よりも、体を動かすことの方が好きでした。和太鼓保存会で活動するのが楽しかったのを覚えています。尺八を始めたのは16歳。尺八奏者の父の影響でした」
──3年前、マイケル・ジャクソンの曲を尺八で演奏する様子が動画投稿サイトで注目を集め、その名が知られました。
「『スムーズ・クリミナル』をカバーした動画ですね。自分でも信じられないくらいたくさんの方にシェアしていただきました。これを契機に、日本の伝統楽器の素晴らしさを、世界中の幅広い世代の人にもっと知ってもらいたいとの思いを抱くようになりました」
演奏会場は天守閣
──11日には和歌山城の天守閣で演奏されます。
「恥ずかしながら、去年初めて和歌山城に行きました。これまでのユニークな演奏場所としてはアフリカのモザンビークで行われたファッションショー、ランウェイのど真ん中が印象深いです。あと、お客様に向けてではなかったのですが、たらい舟に乗って演奏したことも。お城の天守閣で演奏できる機会なんてなかなかないので、依頼をいただいた時はぜひ出演したいと思いました」
──翌12日に和歌山市民会館前で開かれる「夕暮れジャズカフェ」にも出演されますね。
「11日の天守閣では『愛燦々』ほか聞きなじみのある曲を中心に、12日は『いつか王子様が』などをお届けする予定です。今回に向けてアレンジした和歌山の民謡も披露します」
──辻本さんが考える尺八の魅力は?
「一番は音色です。楽器の中でもかなり個人の音色の違いが出やすかったり、性格が音に表れやすかったりと、本当に魅力が詰まっています。尺八自体、生で聴く機会は少ないと思いますので、音色に耳を傾けながら自由に楽しんでもらえるとうれしいです」
辻本好美…1987年生まれ。東京藝術大学音楽学部在学時より美形尺八奏者として注目を集める。純邦楽やポップス、ジャズなど幅広いジャンルで演奏。2016年に「バンブー・フルート・オーケストラ」の名でアルバムを発表、女性ソロ尺八奏者として初めてとなるメジャーデビューを果たす。
(ニュース和歌山/2018年8月4日更新)