『紀伊続風土記』に「糸川瀧 糸川谷の水流在田川に落ちる所の巖上より川に向ひて瀧をなす。高さ十間許其上湛水あり。(中略)近村雨乞をなす時潔斎七日にして壮者を擇みて滝壺に入らしむ。淵中に白魚を視れは雨を得、黒魚を視れは晴といふ」と記される。
滝壺に不動尊が祀られ、古来、日照りが続くと雨乞いの儀式が行われた。占いにおいては、白魚は幸運の象徴、反対に黒魚は凶とされる。
「昔はようお参りしたけど、今は道が無うなっている」と地元のおばあちゃんの案内で、入り口まで行った。たしかに立派な石垣の上に赤い祠が祀られているが、その下は、滝壺に真っ逆さまに落ちる滝口だ。白い魚群に会いたいと思いつつ、引き返すしかなかった。
(ニュース和歌山/2018年8月25日更新)
大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。