怖さ:3
池の妖怪
出没地域:田辺市ほか
寺院などに現れるカニの妖怪。無人の寺に旅の僧が泊まると出てきて、「両足八足大足二足、横行自在にして、眼は天を差す。これいかに」と問答を仕掛けてくる。正解は「カニ」。解ければ帰って行くが、解けなければ相手を食ってしまう。日本各地に伝承は残り、和歌山では大雨が続いたある日、信心深い村人が「池が切れたら西ノ叉が野にならないように(池の真下に位置する田畑がだめにならないように)」と天に祈った。するとその夜、夢枕に一人の僧が現れ、「わしは池の主じゃ。西ノ叉は野にはせぬ」と告げた。翌日、池は切れたが、水は山の腹を横に流れ、田畑は難を逃れたという。
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(ニュース和歌山/2018年12月8日更新)