怖さ:5
山の妖怪
出没地域:和歌山県全域
貂は高価な毛皮を持つ、イタチに良く似た実在の動物である。さて、貂がなぜ妖怪かというと、三重県では「狐七化け、狸八化け、貂の九化け、やれ恐ろしや」との言い回しがある。これは、狐や狸よりも貂の方が変化の術に優れているという事。2年ほど前のある日、白浜に住む友人が自動車のボンネットを開けてみると、エンジン周りから柿の実が出てきた。入れた覚えはもちろんない。いったい誰の仕業なのかと首をひねったという。実はこれ、貂の仕業である。他府県でも同じ現象が報告され、詳しく調べた結果、貂が犯人だったのだ。悪戯好きの貂、現在もなお、人を化かしているようだ。
… … … … … …
妖怪をこよなく愛する漫画家、マエオカテツヤさんの『和歌山妖怪大図鑑』、主要書店で発売中です(税込み999円)。
(ニュース和歌山/2019年1月12日更新)