平安時代、征夷大将軍に任命された坂上田村麻呂が蝦夷に出陣した。戦況が思わしくなかったある夜、国城山の神が枕元に立ち、「国城山に自生する竹を使って矢竹とすれば大勝利となるだろう」と告げた。早速、山林の竹で武器を整え、出征すると戦況は一変。あまりの霊験の強さに人々は驚き、以来この山は聖域として崇められた。
山の中腹には小さな滝が流れ、修行僧もいた。大正時代、村の若者が戦場へ出征するようになると、村人は石を積み上げて滝を整備した。国城山の霊験を信じ、武運を祈って滝行をしたのだ。
日霊は、天照大神の別名。小さなかわいい滝だと思いこんで訪ねてみたら、ごうごうと落ちる瀑布に驚いた。これが最高神の畏怖なのか。
(経路…高野線紀伊清水駅から国城山へ。途中案内板あり)
(ニュース和歌山/2019年1月19日更新)
大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。