近年、若手経営者による個性的な店が増え、活気づく和歌山市中心部の元寺町ストリート。2年前にオープンし、10種類以上のスパイスを使った料理で街をさらにアツくするのが、「スープカリーキッチン チル」だ。東京の人気店で5年間修業したオーナーの北野卓さん(35)は「スープカリーデビューが僕の店との方も多い。この料理の魅力をさらに発信していきたい」と目を輝かせる。
美容と健康に
──スープカリーの専門店、和歌山では珍しいですね。
「たぶん、うちだけじゃないでしょうか。オープンは2017年6月です。胃腸を刺激するカルダモン、整腸・利尿作用があるコリアンダー、肝機能を高めるウコンなど、美容と健康に良い10種類以上のスパイスを独自の配分でブレンドしています」
──和食を食べているかのようにあっさりとしていながら、コクがしっかりあります。
「確かにあっさり系ですね。出汁は鶏肉、鶏ガラ、豚骨をじっくり煮込み、深みを出しています。スープカリーのメニューは7種類あり、いずれも6種の野菜入り。ピーマン、カボチャ、ナス、パプリカは素揚げ、ニンジンは炒めて、水菜は生で味わっていただきます」
──人気メニューは。
「1位はチキンです。出汁を取るときに煮込んだ鶏肉で、口の中でとろけそうなぐらいやわらかい。2位はホルモン。シマチョウの弾力あるプリプリ感がたまりません。その次が子ども受けの良い、目玉焼きを乗せた目玉ハンバーグですね」
イメージを変える
──開店のきっかけは。
「サーフィンが趣味で、実力を上げるため、20代の時に九十九里浜のある千葉へ移りました。そのころ、札幌市民のソウルフード、スープカリーの人気店が関東へ次々と出店してきました。10店舗以上食べ歩き、その1つに通い詰めるように。将来、和歌山に戻ることは決めていて、何か手にして帰りたいと、28歳から5年間、修業させてもらいました。その後、元寺町ストリートを盛り上げようと活動する西中宏さんに出会い、今の店舗を教えていただきました」
──老若男女に人気の店になっています。
「『今までスープカリーは、カレーを薄めた料理と思っていたけど、そのイメージが変わった』とよく言われます。1度じゃなく、2度、3度食べて、スパイスのとりこになる人が多い。今後は旬の物を使った季節限定カリーや一品料理も増やしたいと考えています。スープカリーの魅力を多くの方に伝え、活性化してきている元寺町ストリートにますますにぎわいを呼べるよう頑張りたい」
写真=一番人気の「チキンと6種の野菜のスープカリー」(980円)
【スープカリーキッチン チル】
和歌山市元寺町3-36
昼=11:30〜14:30(OS14:00)
夜=18:30〜24:00(OS23:30)
㊡水曜 ☎073-427-2222
(ニュース和歌山/2019年1月23日更新)