脳出血による言語障害から復帰し、再び歌手として活動する中、定期検診で白血球が少ないことが判明。精密検査の結果、医師から告げられた病名は「急性骨髄性白血病」だった。
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私が急性骨髄性白血病──。何が何だか分かりません。右足が不自由な私は走れませんが、その場から走って逃げ出したい気分でした。
ショックを受ける私に、医師はゆっくり説明してくれました。「発病確率は10万人あたり約5人です」。えっ!? そんなに少ないの? 「急性骨髄性白血病の治療は、total・cell・kill(骨髄の全細胞を殺傷する)という考え方に基づいています」。どういうことだろう? 「骨髄中に存在する白血病細胞も、残っている正常な細胞も、ほぼ全てを抗がん剤で死滅させ、正常な細胞の回復を待つ治療法です」
医師はとても分かりやすく説明してくれたと思います。ただ、その時の私は、途切れ途切れにしか聞けませんでした。しかし、最後に話してくれたことははっきりと覚えています。「急性白血病は、昔のように不治の病ではありません」。その言葉が聞きたかった…。
先生からはすぐ入院するよう言われたのですが、5日後に大阪でライブがありましたので、それだけは出演させてほしいとお願いしました。しかし、翌年まで決まっていた仕事はキャンセルせざるをえませんでした。
2016年7月、入院する日が来ました。1週間後、つらく苦しい抗がん剤投与が始まりました。
写真=入院前、最後となる大阪でのライブ、リハーサル中。心の中は不安だけでした
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ディス・イズ・ジャズ・ライブ…2月15日㊎午後8時、和歌山市太田のテイクファイブ。さつき、ベーシスト畠山令らが出演。2800円、当日3300円。同店(073・472・2636)。
(ニュース和歌山/2019年2月13日更新)