地域の防災・減災拠点にと取り組む和歌山市園部の伊達(いたて)神社で2月16日、有功小学校育友会のOB有志による防災炊き出しが行われた。
防災拠点化進める伊達神社で
神様をまつり、人々が長く信仰してきた神社は、自然災害に対して安全な場所にあることが多い──。神戸市立工業高等専門学校の髙田知紀准教授による論文を読んだ伊達神社の藪内佳順宮司は、2年前から社務所の大広間に水や簡易トイレ、ブルーシートなどを備蓄している。防災炊き出しは昨年に続き、2回目だ。
当日朝から、育友会OB10人が大鍋2つで約200人分の鍋料理を準備。土曜のこの日は神社隣りの有功小でイベント「子ども忍者修行」が行われたのにちなみ、〝忍者汁〟として、たっぷりの野菜や豚肉、うどんが入ったみそ仕立ての料理を作った。集まった子どもたちや保護者、近所のお年寄りはアツアツの鍋料理で体を温めていた。
育友会OBの一人、高倉由香里さんは「いざという時に備えた炊き出しの訓練です。地域に顔なじみをつくるきっかけにもなったと思います」。藪内宮司は「子どもたちには防災や信仰といった難しい話は別にして、地域の神社に親しみを持ってもらう機会となりました。こうした積み重ねで神社に来る機会が自然と増え、氏神様が防災という切り口で地域の守り神になってゆけば」と願っていた。
写真=境内のテントで作った料理をよそう
(ニュース和歌山/2019年2月23日更新)