全盲の菅田利佳さん 東大へ進学
星林高校国際交流科を卒業し、この春、推薦入試で合格した東京大学教育学部へ進学する。「障害や経済的な問題があっても、世界中のだれもが充分な教育を受け、目標を持てる社会をつくりたい」。大きな夢を胸に抱いている。
小学校入学前、徐々に視野が狭くなる網膜色素変性症の診断を受けた。5歳で始めたピアノは視覚障害者対象の全国コンクールで優勝する腕前で、高校生英語弁論大会では最優秀賞に輝くなど常に挑戦を続けてきた。
高校では教師や友人に支えられ、普段の生活に困難はなかったが、副教材は点訳がないため、自ら手配しなければならず環境面での負担を感じた。「自分の経験を生かし、教育格差をなくせないか」。目標を教育学部に定めた。試験直前は1日15時間の勉強に励み、点字のセンター試験を受験。書類選考と面接を突破し、合格を手にした。
大学で教育制度を研究し、その先に国際機関での活躍を描く。「世界中の子どもたちにより良い学習環境を届けられれば」。夢の実現へ、一歩を踏み始めた。
(ニュース和歌山/2019年3月16日更新)