怖さ:2
里の妖怪
出没地域:和歌山市

 夜泣き石の伝承は全国に残り、和歌山でも子供を乗せると夜泣きが治る箕島の話が有名である。和歌山市にもこんな話がある。昔、新庄山にあるお社の入り口に袂石(たもといし)と呼ばれる一組の石が仲良く座っていた。その石のひとつ、男石を信誉(しんよ)上人が寺に持ち帰ったところ、残された女石が夜ごとすすり泣くようになった。この話を聞いた上人が石を戻すと、すすり泣きはピタリと止んだという。それから人々はこの石を「結縁(けちえん)石」「子授け石」と呼んでいる。明治に入り、和歌山市下三毛の上小倉神社に移され、現在もその姿を見られる。

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(ニュース和歌山/2019年3月23日更新)