平野千幸さん(50)、室谷尚美さん(30) 特定行為研修を修了

 看護師が医師の到着を待たず、あらかじめ決められた手順書に沿って一定の医療行為ができるようになる「看護師特定行為研修」。県立医大が実施する研修の2期生として3月、2人が修了した。

 和歌山市の病院に勤務する平野千幸さんは看護師歴29年のベテラン。「患者をよく知る看護師として、できることを増やしたい」と受講した。弟の視力障害を治そうと看護師になった室谷尚美さんは、紀の川市の訪問看護ステーションに勤務。「山間地では通院や往診が難しい。患者さんの状態に合わせ、タイムリーに対応できるように」と志望した。

 約1年半、仕事をしながら座学と実際の患者を相手にした実習を重ね、中心静脈への注射用カテーテルの挿入や点滴中の輸液投与量の調整などの技術を身につけた。平野さんは「何十年も看護師をしてきましたが、今回の研修で患者さんを見る視点が変わり、視野が広がりました」、室谷さんは「医師の指示や患者さんの状態を深く理解できるようになりました。現場ですぐ対応することで重症化を防ぎ、より良い治療につなげます」と決意を新たにしている。

写真=研修を終えた室谷さん(左)と平野さん

(ニュース和歌山/2019年3月30日更新。「卒業」は今回で終了します)