枯れ枝や割りばしなど、身近にあるものが燃料になる「ロケットストーブ」の普及活動を紀の川市の神徳政幸さんが行っている。「土台はエンジンオイルの空き缶。非常時に家族や周りの人を助けてくれるコンロを備え、災害への心構えをしてほしい」と呼びかける。
紀の川市の神徳政幸さん 空き缶コンロ広める
1980年代にアメリカで開発されたロケットストーブ。身近に手に入るものを燃料として使い、ライフラインが途絶えた現場で利用できることから、災害時のコンロとして日本でも注目を集めている。
紀の川市職員のかたわら、日本災害救援活動士として活動する神徳さんは、藻谷浩介さんの『里山資本主義』を読んでロケットストーブを知り、独学で作り方を身につけた。3年前から同市のぷる博で製作体験会を実施しており、これまで100人が参加した。
材料はホームセンターなどで購入できる、スチール製20㍑の空き缶2個と3種類のステンレス煙突、断熱材、ネジ。上下につなげた空き缶の中に連結させたステンレス煙突をはめ込み、缶と煙突のすき間に断熱材を入れる。たき口が水平のため、上部にある断熱された煙突内で燃焼ガスが膨張して上昇気流を生み、効率良く高温を維持できる。完成まで2時間半程度だ。
神徳さんは「自分で作るので愛着がわきます。名前の通りロケットの火のような火力で、鍋やフライパンを置いて活用できる。ひと味違ったアウトドアとしても楽しめます」と笑顔を見せる。
神徳さん(0736・66 ・2955)。
(ニュース和歌山/2019年8月31日更新)