「和歌山謎解き代行社」には地名の由来に関する質問がたくさん寄せられています。今回はその中から、T・Mさんの「和歌山市に〝小人町〟という地名がありますが、なぜこの名前が付いたの?」を調査しました。
西汀丁交差点と紀ノ川大橋の間に位置する小人町。〝しょうにんまち〟ではなく、〝こびとまち〟と読みます。確かに独特な名前ですね。和歌山市立博物館の額田雅裕学芸員に聞きました。
〝御小人〟と呼ばれる武士が住んでいた
「和歌山市に〝小人町〟という地名がありますが、なぜこの名前が付いたの?」。和歌山市立博物館の額田雅裕学芸員に聞くと、「江戸時代に〝御小人(おこびと)〟という下級の武士が住んでいたのが由来」と教えてくれました。
御小人とは、藩主が出掛ける際、長い槍(やり)や刀などを持ち、行列を警護して歩く親衛隊のような武士だそう。この御小人たちが住んでいた場所が、江戸時代は「御小人町」と呼ばれていました。明治時代に入り、お殿様に対する尊敬の意味を表す〝御〟の字はもう必要ないだろうと、〝小人町〟と変更されました。1872年のことです。
なお、同様に、お城の警護などに当たった御中間(おちゅうげん)の居住地だった御中間町、お殿様らが乗るかごを担ぐ人が住んでいた御駕町(おかごまち)も〝御〟を取り、それぞれ北中間町、南中間町、駕町として今も使われています。
(ニュース和歌山/2019年9月28日更新)