今回の疑問は、和歌山市の鶴谷亮子さんから届いた「朝のゴミ収集車から流れてくる曲は、なぜ『赤とんぼ』なの?」です。確かに、朝の収集なのに「夕焼け小焼けの赤とんぼ」は違和感がありますね。
和歌山市では、家庭ゴミの収集日午前8時までに、決められた場所へ出すことが決まっており、安全面から作業員が回収を行っている合図として曲を流しています。
いつから、なぜ『赤とんぼ』が流れるようになったのか、和歌山市一般廃棄物課の山下幸宏課長に聞きました。
収集が終わったと感じてもらうため
「ゴミ収集車の曲、なぜ『赤とんぼ』?」。和歌山市一般廃棄物課の山下幸宏課長に聞くと、「『赤とんぼ』は1日の終わりである夕方を歌った曲なので、収集が終わったことを想起させると考えて採用しています」とのことでした。
同市ではかつてゴミを袋ではなく、各家庭が管理する箱で出していました。当時、ゴミ収集車が到着する少し前に、合図として鐘を鳴らす「先走り車」が走っていましたが、収集された後も空のゴミ箱が路上に放置され、問題になっていました。すぐに箱を家庭に持ち帰ってもらうよう、1960年代に導入されたゴミ収集車から、合図として『赤とんぼ』を流すことになったのが始まりです。
おなじみのメロディですが、2005年に曲を変更してほしいとの意見が寄せられたのをきっかけに、市民にアンケートを実施しました。結果は…約8割が変更しなくてよいと回答。また今年6月の調査でも、9割が変える必要がないと答えました。この『赤とんぼ』、当分は変わることはなさそうです。
なお、ニュース和歌山配布地域では岩出市も『赤とんぼ』、海南市と紀の川市は曲を流していません。全国的には『赤とんぼ』のほか、『草競馬』『エリーゼのために』が人気だそうです。
(ニュース和歌山/2019年10月5日更新)