怖さ:2
海の妖怪
出没地域:和歌山市

 先日、初老の男性から「海にも河童がいるんかの?」と質問を受けた。海に河童?と思い、詳しく聞くと、氏は大潮の晩に海へ行き、潮の引いた岩場で蛸を取るのが趣味だそう。その日も暗闇の中で懐中電灯を片手に蛸を探していると、奇妙な気配を感じる。水鳥でも羽を休めているのかと、気配のする方に目をやると、岩の上に何やらちょこんと座っている。最初、猿かと思ったが、月に照らされたその姿は猿より、むしろ人間の子供に近く、一心に魚をむさぼっていた。薄暗がりの中、色までは分からなかったが、氏に気付くと、浅瀬を走るように海に消えたという。

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(ニュース和歌山/2019年10月12日更新)