怖さ:3
山の妖怪
出没地域:有田川町
昔、有田川町を通る高野街道、杉野原と押手(おして)の境に鬼ヶ城と呼ばれる所があった。ここの大きな岩には鬼の顔が9つあると伝えられ、岩の根元にきれいな水がわき出ていた。これを地元の人は「鬼神水」と呼んだ。岩から電光のごとき鬼火の光が出ることがあり、そんな時には必ず災いがあるとされた。しかし、室町時代に三ノ宮比丘祥満(さんのみやびくしょうまん)という僧侶が来て、この不思議な話を聞くや、立福寺という寺を建て、朝夕供養したところ、鬼火の光が差さなくなったという。寺はもうないが、鬼神水は現在もどこかに湧き出しているかもしれない。
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(ニュース和歌山/2019年10月26日更新)