今回の疑問は、和歌山市のNさんほかから届いた「紀州犬は和歌山だけで飼われているの?」です。
中型で真っ白な毛に覆われ、耳がピンと立ち、ハマグリ型の目が何ともかわいい紀州犬。県のPRキャラクター、きいちゃんや、県警マスコット、きしゅう君のモチーフでもあります。
昔はイノシシ狩りの猟犬として紀伊半島で活躍していました。現在はどの地域で飼われており、どんな歴史があるのか、紀州犬保存会の中島三恵さんに聞きました。
全国、特に東京に多い
「紀州犬は和歌山だけで飼われているの?」。紀州犬保存会の中島三恵さんによると、「戦後のペットブームで白い犬が人気を博した時に全国へ広がり、ピーク時には1万頭ほどいました。今でも東京に愛好家が多いです」。県外にもいるんですね。
紀州犬はもともと、和歌山県や三重県の山岳地帯に土着した那智犬、日高犬、熊野犬、根来犬などの総称で、イノシシ狩りに重宝され、人々の生活と深くかかわってきました。1934年、国の天然記念物に指定されました。
強い忠誠心を持ち、情に深く、温和で賢い犬ですが、近年は小型の洋犬人気に押され、純血種は500頭まで減少しています。「警戒心や力が強く、飼育するには体力が必要ですが、小さなころから愛情をかけて信頼関係を築ければ、優れた家庭犬になります」と話します。
昨年8月、保存会が2頭を和歌山城公園動物園に譲り、ふれあい体験が行われています。また、12月8日㊐午前9時から、和歌山市福島の市民スポーツ広場で30頭が集まる展覧会があります。気になる人は会いに行ってはいかがでしょう。
(ニュース和歌山/2019年11月30日更新)