初詣、和歌山市秋月の日前宮へお参りした人も多いのでは? 今回は海南市の別所勇志さんから届いた、日前宮にまつわる質問「『にちぜんぐう』と『ひのくまじんぐう』、なぜ2つの呼び名があるの?」です。
昔から「にちぜんぐう」で親しまれ、すぐ前のバス停は「日前宮前(にちぜんぐうまえ)」、最寄り駅も「日前宮(にちぜんぐう)」ですが、調べると、日前宮の敷地にある日前幼稚園は「ひのくま」と読むようで…。
日前(ひのくま)神宮と國懸(くにかかす)神宮の禰宜、紀俊崇さんに聞きました。
日前宮は2つの神宮の総称
「『にちぜんぐう』と『ひのくまじんぐう』、なぜ2つの呼び名があるの?」。日前神宮・國懸神宮、禰宜の紀俊崇さんに聞くと、「日前宮は、日前(ひのくま)神宮と國懸(くにかかす)神宮、両神宮の総称です」とのことでした。
入り口から向かって左に日前神宮(写真上)、右に國懸神宮(同下)があります。総称は日前國懸神宮ですが、人々の間で自然と「日前宮」や「日前(にちぜん)さん」と呼ばれるようになりました。
日前、國懸はいずれも天照大神の別名です。創建は2600年以上前の神武天皇即位2年とされ、『日本書紀』に天照大神のご神鏡、日像鏡(ひがたのかがみ)と日矛鏡(ひぼこのかがみ)をまつったと記述が残っています。2つのご神体をまつるため、社殿が2つ造られました。明治時代に定められた神社の格式では両方とも「神宮」とされ、全国に25ある神宮のうち、2社が同じ境内に並ぶのはここだけです。
(ニュース和歌山/2020年1月11日更新)