怖さ:2
里の妖怪
出没地域:紀の川市貴志川町
丸栖の北山(紀の川市貴志川町)に住む男が家へ帰る途中、寂しい竹藪の前まで来ると、道の真ん中で鯉が2匹、ぴょんぴょんと跳ねていた。男は捕まえようとするが、手を伸ばすとぴょんと逃げる。それを何度か繰り返すうちに、気がつけば、竹藪の中に入っていた。すると、どこからともなく怪しい光を放ちながら、何やら奇妙なものが飛び出して、男の頭上をくるくると舞う。やたらとまぶしく輝き、ひらひら風にゆれている。よく見ると、それはお葬式に使われる天蓋で あった。男は怖くなって、一目散にその場を離れたという。地元ではその竹藪を「天蓋藪」と呼んでいる。
… … … … … …
妖怪をこよなく愛する漫画家、マエオカテツヤさんの『和歌山妖怪大図鑑』、主要書店で発売中です(税込み1017円)。
(ニュース和歌山/2020年1月25日更新)