昨夏、和歌山市田中町に誕生した創作イタリアンバル「ブルマリーノシヴァン」。店の前にある看板には、イタリア料理では見慣れない「よだれ鶏」「棒々鶏サラダ」の文字──。店長の芝本健一さん(39)は「創作イタリアンと中華料理を一度に楽しめるのが売り。両方のエッセンスが混ざったオリジナル料理も楽しんで」と笑顔で話しています。

2つの武器

──創作イタリアンバルで、中華料理もいただけるんですか?

 「高校卒業後、紀美野町にあった中華料理店で7年程修業しました。その店が閉店し、私はカフェに転職。そこからコーヒーを極めようと思い、大阪のコーヒー専門店でバリスタの修業をしました。カフェで勤務していた時、パスタ作りに自信がついたので、イタリアンの店を開こうと思ったのですが、中華好きなのも捨てきれず…。2つの料理を作れるのは自分の武器だと思い、中華の要素を加えた創作イタリアンの店で勝負しようと考えました」

──どんな創作料理を作ってきましたか?

 「定番メニューではムール貝、有頭エビ、イカなどの魚介と、たまねぎやパプリカ、にんにく、といった野菜を、中華鍋でパエリアとチャーハンの間くらいの食感に作るパエリア飯。月替わりメニューでは、中華の定番料理、鶏とカシューナッツのオイスターソース炒めをパスタにトッピングしたもの、麻婆ソースとトマトソースを合わせ、鶏肉、乱切りにしたトマト、豆腐を一緒に炒め、ご飯の上にのせた、酸味と辛みが楽しめるトマト麻婆丼などです」

──人気メニューは?

 「ラザニアですね。ミートソースとベシャメルソースで作るのが基本ですが、うちはサワークリームを入れてさっぱりと、しつこくない味付けにしています。中華メニューですと、昼ならよだれ鶏、夜は天津飯がおすすめです」

──材料はどういったものを?

 「トマト、パプリカ、ズッキーニなど、ほぼすべての野菜は地場産のものです。また、ソーセージやパテに熊野ポークを、唐揚げにかけるソースには紀州梅を使っています」

 

新作はラーメン

──新メニューの提供が始まるそうですね。

 「今月上旬からイタリアンラーメンを提供します。開店当初から考えていたメニューで、卵とチーズを使ったカルボナーラ風、魚介をふんだんに使ったペスカトーレ風、鶏のトマト煮込みを入れるカチャトゥーラ風の3種類です。他にも数種類の新ラーメンを考えているので、今後追加する予定です」

──イタリアンラーメンでこだわった点は?

 「パスタの材料となるデュラムセモリナという小麦粉を混ぜたオリジナルの中華めんですね。普通の中華めんでは出ない、アルデンテのような、めんに一本芯が通ったようなこしが生まれます。まずは夜のみのメニューになります」

──イタリアンと中華料理、それぞれの魅力は何ですか?

 「一品料理の種類が充実していて、食材をいろんなバリエーションで楽しめ、たくさんのアレンジができるイタリアン。豊富な調味料を使い、甘い料理から辛い料理まで、幅広い味を楽しめるのが中華。うちに来るとその両方を堪能できると思ってもらえるよう、これからもこつこつ新メニューを作っていきます」

 

【ブルマリーノシヴァン】

和歌山市田中町2丁目16
午前11時〜午後3時
午後6時〜11時(㊎㊏は深夜0時)
☎073・460・6258
定休日 = ㊊、第1㊋

(ニュース和歌山/2020年4月4日更新)