怖さ:2
川の妖怪
出没地域:有田川町
川で漁をする漁師さんの間では、川に素手や素足を不用意に入れると、「しちくり坊主に槍で刺される」との伝承があったそうだ。一晩中、刺されたところがうずいて痛むらしい。その姿は誰も見たことがないそうだが、うちの親父の故郷、有田川町では、アカザという魚のことを「しちくり」「しっちくり」と呼ぶ。アカザとは鯰の仲間で、胸鰭と背鰭に鋭く毒のある棘があり、刺されると痛む。この方言と性質から、しちくり坊主の正体はアカザではないかと思われる。川には危険が多いとの先人の警告が生んだ妖怪でもある。
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(ニュース和歌山/2020年4月11日更新)